名曲コンサート「モーツアルト:レクエイム ニ短調 K.626」
そうして演奏会は終わった。
1月から始まった練習。うまくいかなくて何度も繰り返した旋律も、本番はたった1回。うまく行っても行かなくても過ぎてしまえばほんの一瞬。でも演奏はその一瞬がすべて。音楽は一瞬の連続なんだ。音楽は、特にクラッシックは、再現の芸術。レクイエムといえばモーツアルトの絶筆となった有名な曲だ。この名曲を、モーツアルトの想い描いた通りに再現できたかというと、それは難しかったとは思う。けれど、遠い昔、一人の芸術家の頭の中で生まれた旋律を、200年以上経ったこの東洋の地で奏でられるということは、なかば奇跡に近い気がする。演奏をするということ、演奏を聴くということは、そんな貴重な時間と空間の中に身を委ねるということなんじゃないかな。
実のところ歌っていると演奏のできというものはよくわからないのだけれど、私たちの演奏は決して上手なものではなかったはず。でもただの自己満足で終わるのではなく、聴きにいらした皆さんに、何か少しでも伝わっていれば良いのに。そう思う。
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